ふるさと納税がお得ってよく聞くけど、実際どうお得なの?
仕組みを1からしっかり理解したい!どうやって始めるかも知りたいな〜
こんなお悩みにお答えします!
- メーカー勤務のサラリーマン
- 保有資格:FP2級、簿記2級
- 楽天ふるさと納税ユーザー
CMなどでよく耳にするようになった”ふるさと納税”ですが、仕組みがイマイチ分からないからなかなか始められない。そんな方も多いのではないでしょうか?
結論から言うと、ふるさと納税は、”誰もが”やっておくべき税金対策と言えます。詳しくは本章にて解説しますが、納税予定のお金を使ってお買い物をする、それがふるさと納税です。
この記事を最後まで読むことで、
- 今まで曖昧だったふるさと納税の仕組みをきちんと理解でき
- ふるさと納税を始めるまでのステップが分かる
- 損しないために知っておくべきこと
が一通り分かるようになっていますので、ぜひ参考にしてみてください。
ふるさと納税の仕組みを図解を使って1から解説
ふるさと納税とは、地方自治体を応援しながら税制上のメリットを受けられる制度です。
具体的にまとめると、ふるさと納税とは、任意の金額を寄付することで
- 地方自治体の活性化や地域振興に貢献でき
- 返礼品をもらいつつ
- 自身の税金節約につながる
といった制度になります。
以下のようなイメージです!
原則(※)として、寄付金額の2000円を超える部分が所得税・住民税から控除されます。
※ワンストップ特例制度を利用する場合は住民税のみ控除(後に詳しく解説します)
ただ、控除される金額には上限があり、その限度額は収入によって異なります。
収入が多ければ多いほど、控除限度額も多くなります。
ふるさと納税を行う場合、行わない(通常通り税金を払う)場合を図解で表すと、以下の通りです。
上図を見て分かるように、何もしなければ、ただ税金をそのまま払うだけで終わります。
ですが、ふるさと納税を利用すれば、税金を払いながらも、返礼品というリターンを受けることができます。
そんなのやった方が絶対お得じゃん!
そうなんだよ!税金を収めている人なら、やらない理由はないと思うよ!
控除の申請方法は確定申告とワンストップ特例の2パターン
ふるさと納税の控除を受けるには、
- 確定申告
- ワンストップ特例制度
の、どちらかで手続きを行う必要があります。
両者の違いをまとめると、以下の通りです。
確定申告 | ワンストップ特例 | |
寄付先の数 | 制限なし | 年間5自治体まで |
申請方法 | 確定申告の際、税務署に寄付金受領証明書と共に提出 | 寄付の都度、各自治体に申請書を提出 |
申請期限 | 翌年の2/16〜3/15 | 翌年の1/10 |
税金の控除 | 所得税の還付+住民税からの控除 | 住民税から全額控除 |
確定申告とワンストップ特例、どちらで申請するかによって、控除される税金額が若干異なります。(詳細は後述します)
控除額を実際に計算してみよう〜申請方法によって控除される税金が少し異なる〜
本章では具体的に、確定申告した場合、ワンストップ特例を利用した場合の2パターンで、実際に控除される金額について計算してみます。
控除される金額は、確定申告・ワンストップ特例のどちらで申請しても大差ありません。
なので「控除額=ふるさと納税額−2000円」と一括りに解説されることが多いです。
が、実は両者の計算方法は少し異なるので、ほんの少しだけ控除額に差が生まれます。
結論だけまとめると、以下の通りです。
- 控除される金額 ≒ 2000円を超えた部分の金額
- 計算方法は違えど、控除される金額はほとんど同じ
それぞれのパターンで、控除額がどのように変わるのか、実際に計算していきましょう。
実際に控除される税金額を計算しよう〜確定申告の場合〜
ふるさと納税の控除申請を確定申告で行う場合、所得税と住民税の両方から控除されます。
具体的には、以下の計算式で控除額を計算することができます。
- 所得税の還付
→(ふるさと納税額−2000円)× 所得税率 - 住民税からの控除(基本分)
→(ふるさと納税額−2000円)× 10% - 住民税からの控除(特例分)
→(ふるさと納税額−2000円)×(100%−10%(基本分の税額控除)−所得税率)
ややこしいな〜…
そうなんだよ…(笑)ここはなんとな〜くイメージだけ掴んでくれればOKだから気楽に読み進めてって!
①の所得税が控除ではなく”還付”とされているのは、
- ①は、ふるさと納税を行なった年の所得税から
- ②③は、ふるさと納税を行なった翌年の住民税から
の控除となるためです。
任意の口座を指定することで、所得税の還付金が振り込まれます。
では具体的に、年収500万円(所得税率10.21%)の独身の人が寄付金額6万円で確定申告した場合の控除額をみていきましょう。
控除額 | 計算式 | |
所得税の控除 | 5,921円 | =(60,000-2,000)×10.21% |
住民税からの控除(基本分) | 5,921円 | =(60,000-2,000)×10% |
住民税からの控除(特例分) | 46,279円 | =(60,000-2,000)×(100%-10%-10.21%) |
合計 | 58,000円 |
この場合、自己負担額はぴったり2000円となります。
では次に、ワンストップ特例にて手続きを行なった場合をみていきます。
実際に控除される税金額を計算しよう〜ワンストップ特例の場合〜
ワンストップ特例を利用する場合、控除は住民税からのみとなります。
- 住民税からの控除(基本分)
→(ふるさと納税額−2000円)×10% - 住民税からの控除(特例分)
→(ふるさと納税額−2000円)×(100%−10%(基本分)−所得税率) - 住民税からの控除(申告特例分)
→特例分の控除額×所得税率 / (90%−所得税率)
所得税からの控除がない分、③の申告特例分が適用されます。
こちらも具体的な控除額をみていきましょう。
先ほどの計算同様、年収500万円(所得税率10.21%)の独身の人が寄付金額6万円の場合の控除額をみていきましょう。
控除金額 | 計算式 | |
住民税からの控除(基本分) | 5,800円 | =(60,000-2,000)×10% |
住民税からの控除(特例分) | 46,279円 | =(60,000-2,000)×(100%-10%-10.21%) |
住民税からの控除(申告特例分) | 5,923円 | =46,279円×10.21%/(90%-10.21%) |
合計 | 58,002円 |
この場合、自己負担額は1998円となり、確定申告よりも自己負担が2円だけ少ないということになります。
ふるさと納税の始め方を4ステップで解説
仕組みを理解できたら、さっそく始めてみましょう。
ふるさと納税の流れは、以下の通りです。
- 自分の控除限度額を把握する
- 寄付先の自治体・返礼品を決める
- 寄付する
- 確定申告orワンストップ特例申請を行う
①自分の控除限度額を把握する
前述した通り、控除限度額は収入によって変わります。
まずは自分の控除限度額の目安を把握しましょう。
寄付金額が控除限度額を超えると、超えた分は全て自己負担となるので注意が必要です。
控除限度額は、シミュレーションサイトで年収を入力するだけで簡単にわかります。
例えば、給与収入が400万円の場合、控除上限額の目安は42,100円と出ます。
正確な控除上限額を知りたい人は、給与所得後の金額や所得控除の合計額、住宅ローン控除額なども入力すれば分かります。
各収入の控除限度額の目安を、以下の表にまとめます。
寄付者本人の給与収入 | 独身または共働き | 夫婦 |
300万円 | 27,000円 | 18,000円 |
350万円 | 34,000円 | 25,000円 |
400万円 | 41,000円 | 32,000円 |
450万円 | 52,000円 | 40,000円 |
500万円 | 60,000円 | 47,000円 |
550万円 | 68,000円 | 59,000円 |
600万円 | 76,000円 | 67,000円 |
650万円 | 96,000円 | 75,000円 |
700万円 | 107,000円 | 84,000円 |
750万円 | 118,000円 | 107,000円 |
800万円 | 129,000円 | 118,000円 |
850万円 | 139,000円 | 128,000円 |
900万円 | 150,000円 | 139,000円 |
950万円 | 161,000円 | 150,000円 |
1000万円 | 172,000円 | 161,000円 |
僕はいつも「シミュレーション金額ー1万円」ほどで抑えています!
②寄付先の自治体・返礼品を決める
自身の控除限度額が分かったら、寄付先の自治体を決めていきます。
寄付先の自治体は、
といった、ふるさと納税サイトから選ぶことができます。
限度額を超えないように、自分の好きなものを選べばOKです。
③寄付する
寄付先の自治体が決まったら、住所や支払方法などの必要事項を入力して支払いを行います。
サラリーマンの方は、ワンストップ特例制度の利用選択の欄があるので、忘れずにチェックを入れておきましょう。(申請書を作る手間が省けます)
ちなみに、チェックし忘れたとしても、ワンストップ特例制度は利用できるので安心してください。
寄付が完了して1週間ほど経つと、受領証明書が届きます。
受領証明書は確定申告の際に必要になるので、大切に保管しておきましょう。(控除申請を
④確定申告orワンストップ特例申請を行う
寄付が完了したら、控除を受けるための手続きを行います。
前述した通り、手続きは確定申告かワンストップ特例申請の2パターンです。
確定申告 | ワンストップ特例 | |
寄付先の数 | 制限なし | 年間5自治体まで |
申請方法 | 確定申告の際、税務署に寄付金受領証明書と共に提出 | 寄付の都度、各自治体に申請書を提出 |
申請期限 | 翌年の2/16〜3/15 | 翌年の1/10 |
税金の控除 | 所得税の還付+住民税からの控除 | 住民税から全額控除 |
どちらで申請しても控除される金額はほとんど同じなので、どちらで申請してもOKです!
ふるさと納税は節税?厳密には税金の先払い
ふるさと納税は、税制上のメリットが大きい制度です。
そのため「ふるさと納税は節税」と解説する記事も多くありますが、厳密にいうと節税ではありません。
本来支払う予定の税金が、寄付金という姿に形を変えるだけです。ふるさと納税をした場合も、そうでない場合も、最終的に支払う金額は変わりません。
なので、
【×】ふるさと納税=節税
【○】ふるさと納税=税金の先払い
という認識が自然です。
兎にも角にも、納める金額自体は減らないということに注意してください。
ふるさと納税で損する可能性があるのはこんな人
ふるさと納税は、所得税や住民税の控除を受けられる仕組みになっています。
そのため、所得税・住民税の納税額が少ない場合には、ふるさと納税の控除のメリットを享受できない可能性があります。
具体的には、
- 税金を支払っていない人
- パートアルバイトなど、年間給与所得が90万円を下回る人
- ふるさと納税をした年に退職する(した)人
は、それほど旨味がない、もしくは損をしてしまう可能性があるので注意が必要です。
まとめ:給与所得のある人は”ふるさと納税”がお得!
この記事では、ふるさと納税の仕組みから控除額の計算方法、始め方まで、ふるさと納税の基礎知識を1から解説しました。
結論、ふるさと納税は、納税者(※)であれば誰もが利用すべき制度です。(※前述した通り、納税額が元々低い人はふるさと納税の控除による恩恵を享受できない可能性もあるので注意してください。)
ふるさと納税を利用することで、本来支払うはずのお金を使って返礼品をもらうことができます。
税金をそのまま払うか、返礼品を受け取りながら払うか、どちらがお得かは言うまでもありませんね。
今まで利用したことがない人は、この機会にぜひ、ふるさと納税にチャレンジしてみましょう。
この章は少しマニアックな話になるので、概要だけつかみたい人は、以下の結論だけ抑えて、「ふるさと納税の始め方」まで読み飛ばしてもらってOKです。